日産がVRChat上に仮想スタジオを公開
国内大手自動車メーカーである日産は2024年3月、ソーシャルVRアプリである「VRChat」上に仮想スタジオを公開しました。
公開されたスタジオはいくつか種類がありますが、いずれも日産が過去に発売した車をスタジオ内に再現しており、それぞれのスタジオに入ることで時代に合った背景と共に写真や動画作成が可能になっています。
ただ楽しめるだけでなく、交通安全の啓発も兼ねた仮想スタジオになっており、各スタジオでさまざまな研究成果を実際に体験できる貴重な機会にもなっているのが特徴です。
それぞれのスタジオで学べるテーマを以下で紹介します。
ドライブを楽しみながら有効視野の影響体験
70年代に発売された日産車「スカイラインハードトップ 2000GTX-E」によるドライブを楽しみながら、有効視野を体験できるスタジオです。
有効視野とは、端的に言えば、まっすぐ正面を見ながら同時に情報処理が行える領域のことを意味します。
たとえば運転中まっすぐ前を見ていても信号の色や前方の車両、対向車などの存在がある程度認識できますが、これが有効視野です。
この有効視野では、視界に入っている横断者を見落としてブレーキの反応速度が遅れるといった体験をVR上で行えます。
VRのため臨場感は実際の運転とも遜色がなく、安全が保証されていながらもリアルに近い体験ができるため大変貴重です。
美しい夜景で服装の視認性評価実験
こちらのスタジオでは95年発売の「シルビア Q’s」と美しい夜景が見られるスタジオで、服装の視認性評価実験の成果を体験できます。
マネキンが身につけている服装やアクセサリの色によって運転手からの視認性がどれだけ変わるかをVR上で確認できます。
暗色や暖色など、周囲の明るさとも相まってどちらが見やすい、見にくいのかをVR上でも忠実に再現しているため、体験することでリアルの運転にも活かさられる学びがあります。
もちろん、夜景と車に自身のアバターを並べてかっこいい写真を撮影するというメタバースならではの楽しみ方も可能です。
ハンドルぐるぐる体操を楽しむ
アメリカンな雰囲気が漂うスタジオでは、高齢者ドライバーの安全走行のためにも広がっている「ハンドルぐるぐる体操」を楽しむスクリーンが設置されています。
この体操は運転前の体慣らしや運転中の疲労軽減にも効果が期待できるもので、高齢者だけでなく、長距離を運転するドライバーや初心者ドライバーにも効果的な運動です。
スタジオのスクリーン内に流れる動画を見ながら実際に体験できるため、興味がある方はハンドルぐるぐる体操を体験しにスタジオを訪れてみてはいかがでしょうか。